2010年06月27日

太平洋戦争時代の様々なウォーシップ「防空駆逐艦秋月」

「新造防空駆逐艦秋月」

世界で初めて建造された空母部隊直衛用の防空駆逐艦です。新型高角砲を装備した秋月は実戦で使用され、連合国軍の航空部隊から要注意の艦としてマークされました。

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*空母を守る駆逐艦

1930年代に入って航空機が発達するにつれ、各国海軍では敵の航空攻撃から戦艦や空母などの主力艦をいかにして守るか大きな問題となり、対空火力の増強がなされてきました。

特に空母は、広い飛行甲板に爆弾が1発命中しただけで、艦載機の発着ができなくなる危険があるため、敵機に対する対策は重要だったのです。ここから生まれたのが、空母部隊直衛用に専用の防空艦を建造するという構想だったのです。

当初は旧式巡洋艦を改造して高角砲を多数搭載し、防空巡洋艦とする計画もありましたが、新規設計の駆逐艦のほうが効率的だと考えられ、新規建造となったのです。防空巡洋艦を建造することも検討されましたが、建造費の点から見送られ、駆逐艦の数を多くすることになりました。

こうして第四次海軍軍備充実計画で建造されたのが、秋月型駆逐艦なのです。秋月型は日本海軍初の本格的な防空駆逐艦でもありました。


*高性能高射砲

秋月は当初、空母部隊の直衛用として対空戦闘を主目的とし、魚雷発射管を持たない設計とされていました。艦政本部の当初の要求は、速力35ノット、航続距離18ノットで10,000海里となっていたため、駆逐艦とはいえ4,000トン近い設計となりました。

当然、建造費もかさむことになり、数を揃えることができないため、速力と航続距離の要求が緩和されました。こうして秋月は、連装4基8門の新型高角砲を装備した強力な防空駆逐艦として建造されることになりましたが、通常の駆逐艦としても使いたいという要求が出たため、魚雷発射管も装備されることになり、結局2,700トンの大型駆逐艦として誕生したのです。

秋月型の目玉は、新規に開発された九八式10センチ連装高角砲の装備です。この高角砲は、長10センチ砲とも呼ばれ、これまでの12.7センチ砲が40口径だったのに対し、65口径と砲身が長く、最大射程距離、射高ともに、これまでの高角砲を大きく上回っていました。

九八式10センチ高角砲の最大射高は、14,700メートルに達し、最大射程距離19,500メートル、発射速度は毎分19発の性能を持っていました。この性能は第2次世界大戦中の各国高角砲のなかでもトップクラスであり、特に射程距離と射高は世界最高だったといっていいでしょう。

しかし、この高角砲を指揮する高射装置を前後部に装備する予定のところを、実際には艦橋上の1基しか装備しなかったために、本領発揮できなかったといわれています。


*侮れない防空艦

新しく編成した空母機動部隊の護衛艦となるべく秋月が竣工したのは、ミッドウエイ海戦直後の1942年6月13日でした。竣工した秋月は訓練航海を終えると早速、激戦が続いていたソロモン諸島に送られ、再編された空母部隊の第3艦隊に配備されました。

9月29日には泊地で爆撃を受けたが無事に回避し、1機を撃墜しています。この時に撮影された写真を解析したアメリカ軍は、秋月が侮れない防空艦だと判断し、航空部隊に警報を発したといわれています。

1943年1月18日、秋月は潜水艦の雷撃を受けたが、沈没をまぬがれて、内地に向かいました。しかし、その途中でキールが折れてしまい、サイパンで艦橋を含む船体前部を切り離し、応急処置を施して後部だけで帰投しました。

三菱長崎造船所で、建造中だった同型艦霜月の艦首を結合し、併せて機銃の増強とレーダーの装備を行った秋月は、再び空母の護衛艦として任務についたが、1944年6月のマリアナ沖海戦で、護衛していた空母大鳳を潜水艦に沈められてしまいました。

秋月はその後さらに機銃を増強し、1944年10月のレイテ沖海戦で空母瑞鶴を護衛しました。一説に、この海戦で対空戦闘中に魚雷発射管に爆弾を受け、誘爆によって沈没したとされています。

それが事実なら、計画時に追加された魚雷発射管が仇となったことになります。太平洋戦争半ばから空母部隊を守った秋月は、空母直衛用の防空艦という先進的な構想から生まれた駆逐艦としてその名を残しています。

*秋月(最終時)データ

基準排水量 2,701トン
全長     134.2メートル
最大幅    11.6メートル
機関出力  52,000馬力
最大速力  33ノット
航続距離  18ノットで8,000海里
主砲     長10センチ連装高角砲4基8門
対空機銃  25ミリ3連装機銃5基、単装7基
        計22挺(他に単装据付座7基)
魚雷発射管 61センチ4連装1基 魚雷8本
爆雷     投射機2基、投下軌条2基 爆雷54発


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ラベル:防空駆逐艦 秋月
posted by シン軍曹 at 09:05| 駆逐艦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月18日

太平洋戦争時代の様々なウォーシップ「戦艦ウエスト・ヴァージニア」

アメリカの戦艦ウエスト・ヴァージニアは40.6a砲を搭載したコロラド級の戦艦です。日本の真珠湾攻撃により大破したものの、後に復活してレイテ沖海戦で西村艦隊を全滅させました。

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*日本に対抗した主砲

アメリカは、太平洋を挟んで対峙する日本を仮想敵国とした軍備計画を立てていました。特に第1次大戦が終わるころから、日本を最大の脅威と考えるようになりました。こうした背景のもとに1916年、アメリカ海軍が議会に提出したのが、戦艦10隻、巡洋艦6隻を中心とする大艦隊を3年度計画で建造する建造計画です。

3年度計画もしくは計画当時の海軍長官の名前からダニエル・プランとも呼ばれるこの計画で、第1陣として建造されたのが、コロラド級戦艦だったのです。コロラド級戦艦は、従来のテネシー級の発展型として設計されました。

テネシー級では、35.6a3連装砲4基だった主砲が、コロラド級では40.6a連装砲4基に変更されたが、これは当時建造中だった日本の長門型戦艦が、40.6a砲(実際は41a)を装備していることが判明したからです。こうしてコロラド級は、アメリカ海軍初の40.6a砲を搭載した戦艦として誕生しました。


*軍縮条約による建造の危機

1922年のワシントン海軍軍縮条約によって、建造中であったウエスト・ヴァージニアは解体処分になりかけました。しかし日本に戦艦陸奥を保有することを認める代わりに、アメリカは未完成のコロラド級の3隻の内、2隻を完成させることが認められました。本来は最も工事の進んでいなかったウエスト・ヴァージニアが解体されるところでしたが、計画全体を調整するためにそのまま建造が進められました。

1923年12月1日に完成したウエスト・ヴァージニアは、日本海軍に対抗するため、ほかのコロラド級戦艦とともに太平洋艦隊に配備され、1941年12月8日真珠湾攻撃を迎えました。日本軍の奇襲により、7本の魚雷と2発の爆弾を受けて大破し、着低したが、真珠湾は水深が浅いため、最悪の事態は免れました。

翌1942年5月に引き揚げられ、応急修理を受けた後、アメリカ本土に回航されて本格的な修理を受けることになりました。


*新型レーダーの搭載

真珠湾攻撃で受けた損傷を修理の際に、ウエスト・ヴァージニアは徹底的な近代化改造が施されました。主砲と機関は新造時のままでしたが、その他の武装は一新され、副砲と高角砲は全て新型戦艦で採用されていた12.7a連装高角砲に換装されました。

さらに、アメリカ戦艦の特徴だった籠マストと煙突は撤去されて、新型戦艦のようなデザインの艦橋と煙突が装備されました。また、最新型の射撃指揮レーダ−と新型射撃指揮装置も装備されました。

特にレーダーは、最新型のマーク8が採用されました。このとき装備された最新型レーダーが、後の実戦で威力を見せ付けたのです。新型レーダーが真価を発揮したのは、復帰後始めての戦闘となった10月のレイテ沖海戦でした。

上陸支援を主任務とする第7艦隊の戦艦部隊に加わったウエスト・ヴァージニアは、カリフォルニア、テネシーとともに、スリガオ海峡で西村艦隊に、対してレーダーを駆使した猛射撃を浴びせたのです。これは、レーダーが最新型でない同型のメリーランドが、数回しか主砲を撃てなかったのと比べると、大きな違いでした。

この海戦でウエスト・ヴァージニアは、旧式戦艦でもレーダーを駆使すれば、新型戦艦並みの戦いができることを証明したのです。その後、硫黄島や沖縄で上陸支援などの任務を行った同艦は、1947年1月9日に退役し、1959年に除籍解体されました。


ウエスト・ヴァージニア(レイテ沖開戦時)

基準排水量 32,500トン
全長     190.2メートル
最大幅    32.92メートル
機関出力   28,900馬力
最大速力   20.5ノット
航続距離   10ノット時21,100海里
主砲      40.6a連装砲4基8門
高角砲    12.7a連装砲8基16問
対空機銃   40ミリ4連装機銃10基、連装機銃2基、計44挺、20ミリ単装機銃57挺



*様々な艦船模型







posted by シン軍曹 at 23:21| アメリカ戦艦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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